水のなかの色

あいまいなものについて、考えごと。

テーマがほしい

けっきょく私は何がしたいのか、とよく考えます。

すごく得意なこととか好きなこととしてあげられるものがありません。一番好きな考えごとにしても、考える対象はすごくあいまいです。なんとなく、感覚とか記憶とか感性とか倫理とかそのあたりだとは思います。偶然にもどれも形のないものばかり。

テーマがほしいです。人生のテーマとかそこまで大きなものじゃなくても、思い切り探求できる何かがほしいです。

大学時代、私には「〇〇学」みたいに名前のつく専攻がありませんでした。哲学も心理学も社会学文化人類学も興味はあったけれど、どれも中心的な研究手法になじめそうになかったし、そもそも体系的に学ぶみたいなことが苦手だったし、論理的にも客観的にも分析的にも行動的にもなれそうになかったのでどれも専門にできなかったのです。

ざっくりと「人文・社会科学系の質的研究」に興味をもって、そういうことを広く扱っている研究室に入りました。卒論は書きたいこと(日頃から考えている、感覚・記憶・感性・倫理のこととか)では書けなくて、けっきょく書けそうなテーマを設定して書きました。考えることや文章を読んだり書いたりすることが好きだったので高校生のころからずっと研究者にあこがれていたけれど、大学ではそんな感じだったのでちょっと自分に失望してあきらめました。生活するためのお金を手に入れられる力もなさそうだったし。

そうしてアカデミー的な意味での研究はやらないことになったのですが、研究テーマみたいなものが自分にもほしいとはずっと思っています。言葉にできる、明確な範囲をもった研究テーマがこのごろは特に切実にほしいです。数か月前に大学を卒業して仕事をはじめて、自分ひとりが生活するのには十分なお金を得られるようになりました。ずっと眠るのが下手だったのに最近なぜかよく眠れるようにもなりました。会社に行く前の朝と会社が終わった夕方にはけっこうたくさんの時間があります。だから今なら現実のことをあまり心配せずに何かを探求できそうな気がするのです。

ここで、けっきょく私は何がしたいのか、という最初の文に戻るのですが、それを具体的に考えていくことがひとまずのテーマになるかもしれません。今は大学にいるわけでもないので専門分野は「〇〇学」とかではなくていいような気もしてきました。とりあえずおおまかな専門分野は「感覚・記憶・感性・倫理についての考えごと」にしてみます。そのなかで具体的にどんなことを考えたいのかとか、そのために何を調べるのかとか、そういうことをまずは考えていきたいと思います。